2006年12月
タンザニア大使が、映画「ダーウィンの悪夢」の配給会社であるビターズ・エンドに対して、アフリカのイメージダウンになると抗議をしました。スポーツ報知 「ダーウィンの悪夢」は、タンザニアのビクトリア湖に放たれたナイルパーチ、その白身の輸出、武器貿易、貧困などを描いたドキュメンタリー。公式ページ 個人的には、この映画は大学等で開発学を学ぶ学生にはとても良い教材と思いますが、一般向けの映画としては、グローバル化の問題を指摘するよりも、アフリカのネガティブなイメージを強調するだけになりそうに思います。映画は、アフリカのある一面を切り取っている分けですが、観る多くの人は「これもアフリカ」というよりも「これがアフリカ」と考えるでしょうね。

2006年11月
アフリア・南アメリカサミットが11月30日にナイジェリアで開催。アフリカ連合(AU)と南米国家共同体(SACN)が経済協力や関税の撤廃などについて話し合う。昨年のブラジルでの第1回サミットに続いて2回目。

EUアフリカ・移民サミットがリビアで11月22-23日に開催されます。特に近年増えているアフリカからヨーロッパへの不法移民の対応策について話し合われます。

韓国・アフリカサミットがソウルで、アフリカ25カ国からの5人の元首と27人の代表者が参加。(11/7-9)

中国・アフリカサミットが北京で開催され、アフリカの35人の元首と13人の閣僚級が参加。(11/3-5)

2006年10月
来年、ドイツで開催されるG8で、再びアフリカを主要課題とすることを、ドイツ政府が明らかにしました。アフリカ諸国の中でも、特に統治がよく行なわれている国を選んで、投資増加に向けて支援を集中しようとのアイデアがあるようです。

国際食料政策研究所が「世界飢餓指標」を発表。南アジアとサハラ以南アフリカで飢餓が深刻。特に、サハラ以南アフリカでは子どもの死亡率が高い。

佐藤啓太郎アフリカ紛争・難民問題担当大使は、10月9日から14日までの間、スーダン、エチオピア及び英国を訪問し、AUおよび英国政府関係者とダルフール問題について意見交換する。 外務省

2006年9月
米国−アフリカ・インフラ会議が9月27−29日に米国のメリーランドで開催される。

UNCTADが「Economic Development in Africa」でアフリカへの支援を倍増することで、ヨーロッパの戦後復興を実現したマーシャルプランのアフリカ版"Big Push"が可能と主張。また、現状の混乱した援助の実施状況は、経費が嵩んで効率的でなく、また政治的な目的にも利用され、必ずしも受益国の政策には沿っていないとし、国際機関を通じた援助により中立的な国際機関の役割を高めるべきだと主張している。
INCTAD Economic Development in Africa

アフリカの環境破壊が悪化。国際環境計画(UNEP)は、アフリカの環境がさらに悪化していることを示す「アフリカの湖:環境変化アトラス」を発表した。UNEP JANJAN
NEPによれば、アフリカの水の約90%は農業用水として使用されているが、その40−60%は滲出、蒸発で無駄になっているという。
JICA 途上国の水問題

ナイジェリアのオバサンジョ大統領が9/14-16日本を訪問。同大統領の来日は2年ぶり。概要と評価 外務省

2006年8月

東京・有明でアフリカ特産品の展示・販売会「アフリカン・フェア」(9/2-4) JETRO 小泉首相が視察

南部アフリカ共同体首脳会議がレソトの首都マセルで開会した。14カ国の首脳が集まり、地域内の経済の一体化と協力関係の強化について話し合う。ジンバブエの亡命活動家が抗議行動。JANJAN

三浦農林水産副大臣が8月4日から6日までエチオピアを訪問した。副大臣は訪問中、アディス副首相兼農業大臣と会談したほか、アジスアベバ近郊の農業試験場、JICAプロジェクト、インゲン豆生産農家、外国資本のし悦園芸農場など農業生産状況を視察した。農林水産省は途上国支援においては、南南協力や農協、一村一品の経験などを通じ、輸出促進を含む競争力のある農業への支援を行なう開発イニチアチブを提唱している。農林水産省によるWTO農業交渉の状況資料の中で開発イニシアチブの解説あり

2006年7月

アフリカ連合(AU)のコナレ委員長が訪日し(7/24-28)、小泉首相ほかとの懇談や国連大学での講演会が行なわれた。小泉首相との会談では、日本のアフリア支援、アフリカの医療従事者を表彰する野口英世アフリカ賞、日本の安保理常任理事入りに対するアフリカ諸国からの支援などについて話しあわれた。安保理改革に関しては、アフリカ諸国の票が重要と言われているが、日本の安保理常任理事入りがアフリカ諸国にとってどういう意味があるのかの開設が見られない。
小泉首相とコナレ委員長の会談 金田副大臣とコナレ委員長の会談
野口英世アフリカ賞

米国のビル・クリントン元大統領とスコットランドの実業家トム・ハンターが1億ドルクリントンーハンター開発イニシアチブを立ち上げ、マラウイ支援を行なう。また、ワールドカップドイツ大会の決勝戦の試合前に、EUとFIFAが、今後4年間に3兆7千億円の支援アフリカとカリブ諸国に対して行なうと発表した。

7月3・4日にモスクワで「シビルG8」会議が開催された。この会議はロシア政府がG8サミットを前に市民社会関係者と、世界の課題について協議するために開かれ、世界の50カ国から約600名の参加者がロシア政府の経費負担で招待された。日本からはJANICおよびほっとけない世界の貧しさの代表者が参加した。会議の二日目にはプーチン大統領も顔を出し、会議参加者と意見交換を行なった。本会議の前にこうした市民社会との意見交換は一般的になりつつある。2008年のTIVAD4では、主催者である日本政府は、市民社会の参加をどのような形で実現するのだろうか。Civil G8 ほっとけない世界の貧しさキャンペーンCivilG8の報告

アフリカ連合の定例首脳会談がガンビアのバンジュールで開催(7月1・2日)。ソマリアやスーダンの紛争解決が議題。岩手日報 CRI 日本からは佐藤啓太郎大使が参加した。同会議には、ベネズエラのチャベス大統領とイランのアフマディネジャド大統領が出席し、反米・反帝国主義を訴えた。読売新聞

国連環境計画(UNEP)が「アフリカ環境概況2」を発表。(7月1日)「私たちの環境、私たちの財産」という副題のついたこの報告書では、環境資源の有効活用がアフリカの貧困削減の要としている。世界で生産されるプラチナの8割、ダイヤモンドの4割、金やコバルトの3割弱をアフリカが生産している。アフリカは豊富な観光資源を持ちながら、世界の観光産業のわずか4%しか担っていない。英語版報告書AEO2 エコロジーシンフォニー

2006年6月

経団連が6月21日に外務省・経産省とアフリカ支援について意見交換を行なった。経団連タイムス 懇談会では、日本のアフリカ支援政策、JETROによる一村一品キャンペーン、JBICによるケニア・ウガンダ・タンザニアに対する投資政策提言書とそのフォローアップ、日・南アFTAなどについて意見交換した。

G8によるアフリカ支援の履行が約束どおりに進んでいないことを受け、英国のブレア首相は、国連のアナン事務総長を議長とする進捗監視パネル「African Progress Panel」を設置すると発表した。パネルはビルゲーツ基金が資金的支援を行い、パネルメンバーには、ボブ・ゲルドフ、オバサンジョ・ナイジェリア大統領などが含まれる。「アフリカ委員会」と同じ手法だが、人々の注目を集めることは間違いない。ただし、「アフリカ委員会」の成果に対しては批判的な声が多かったので、このパネルが実質的にどれほどの影響力をもてるのか注目したい。パネルは、特に成果の見られないETO等の貿易関係での進展に着目したいとしている。choron.com(6/27)

NHK(6・22)によれば、政府はこれまでにアフリカ諸国との関係を強化するために、閣僚が手分けしてアフリカ諸国を訪問することを検討していると報じた。人権や国連安全保障委員会の改革に向け、アフリカ諸国の支援を得るための動きであるとしている。困難な状況にあるアフリカ諸国とアフリカの人々への人間の安全保障のコンセプトに則した支援を加速させるのが、国際的な支援を得る近道である。そうしたアピールの方法を報道機関にも指摘してもらいたい。

「アフリカ肥料サミット」が9日から13日までナイジェリアのアブジャで開催され、「アフリカにおける緑の革命のための肥料に関するアブジャ宣言」を採択した。この会議はNEPADが農業生産の増産を目指して開催したもの。All Africa.com  アフリカの農地の4分の3では生産性が1haあたり1トンにも満たず、それはアジアの30%にしか当たらない。この原因は土地がやせていることと、人口の圧力により農地をより酷使していることが背景にあるが、直接的な要因は、こうした土地の養分をうまく管理できないことにある。実際、先進諸国やアジア諸国では肥料の利用により高収量を実現してきたが、アフリカの肥料使用量はアジアの10%以下といわれている。クレジットの提供などで肥料が手に入りにくい状況を改善できれば、農業生産の向上に大きなインパクトがあるだろう。国際土壌肥料農業開発センター(IFDC)のロイ会長は「アフリカはどんな村に行ってもコカコーラはあるのに、肥料や種子は手に入らない」という。コカコーラのように肥料も容易に農家が入手できるようになるだろうか。そのためにはどのような政策や支援が必要になるだろうか?JANJAN IFOAMのように化学肥料によるアフリカの土地の疲弊を深刻化させる動きとし、この会議を批判する声もある。IFOAM しかし、短期的には、肥料の流通を改善することがもっとも安価で早く農業生産の向上を達成する方法のようだ。

中国外交部は「中国・アフリカ協力フォーラム」の首脳会議を11月に北京で開催すると発表した。温家宝首相は17日から24日までアフリカの7カ国を訪問する。

2006年5月

TICAD市民社会フォーラムをはじめとする5NGOの主催で、国際シンポジウム「日本のODAは世界の貧困を救えるか?:日本のODA改革、援助の国際潮流そして貧困者の視点」が、5月27日にJICA国際協力総合研修所で開催された。3時間という限られた中で、OECD/DAC、日本政府、主要援助ドナー、そしてNGOの代表により、建設的な意見が述べられた。OECD/DAC議長を基調講演者に、日本のNGOが主体的に開催した国際シンポジウムは画期的と言って良い。ただし、参加した在京アフリカ大使の中に、理念ではなくもっと具体的な議論が欲しいとの声があった。当日の映像配信by Our Planet TCSFによる報告

日本政府は、ダルフールでのAUによる人道支援や和平交渉についての活動に対し、9億6千3百万円の支援を決めた。外務省

ナイジェリアで「感染症に関するアフリカ連合(AU)特別サミット」が開催。佐藤啓太郎アフリカ紛争・難民問題担当大使兼国連改革担当大使が日本代表として参加した。外務省

小泉首相のアフリカ(エチオピア・ガーナ)訪問
小泉首相は5月29日から6月1日までエチオピアに滞在。メレス首相との会談、JICA技術協力プロジェクトのサイトを視察、AU本部においてコナレ議長およびアフリカ各国代表と会談およびアフリカ政策に関するスピーチを行った。ガーナには6月1日から3日まで滞在し、クフォー大統領と会談およびガーナ大学内の野口英世研究所を視察した。小泉首相のAU本部でのスピーチ
概要と成果 外務省
・AU本部でのスピーチ:アフリカの自立を支援。国連安保理改革にも触れる。 外務省
・アフリカでの医療功労者に「野口英世賞」創設を提案 読売新聞
・小泉首相のアフリカ訪問の成果は? ロイター 朝日新聞 中国情勢24 FPCJ
小泉首相のアフリカ訪問を、最近の中国の対アフリカ外交と比較する論調が見られますが、いろいろな支援・関係の中で、日本・TICADはどんな役割を果たしていくのかを考えればいいわけです。
   ・中国アフリカ・サミット 2006年秋
   ・フランス・アフリカ・サミット 2005年12月
   ・ドイツ・アフリカ・パートナーシップ・フォーラム 2005年11月
   ・英国アフリカ・パートナーシップ・フォーラム 2005年10月
   ・英国アフリカ委員会が報告書 2005年3月

2006年4月

TICAD市民社会フォーラム(TCSF)が、小泉首相のアフリカ訪問に際し、対アフリカ政策に関する要望書を送付。TCSF要望書

早稲田大 片岡助教授「アフリカ問題と日本:小泉総理のアフリカ訪問を前に」 waseda.com
主要ドナーのアフリカ支援の推移(1999−2004)のグラフがあり、日本のアフリカへの援助がここ数年落ち込んできているのが分かる。

外務省が、パンフレット「日本とアフリカ−なぜアフリカを支援するのか」を出した。構成は以下のとおり。
   ・世界におけるアフリカ
   ・国際社会のアフリカへの取り組み
   ・アフリカ支援の意義
   ・日本の支援の取り組み
   ・TICADプロセス3つの柱

「アフリカ肥料サミット」を6月9から13日間、ナイジェリアのアブジャで開催することが、3月30日にニューヨークで開催された、同サミットの諮問委員会で決定された。委員会はバジェIFAD会長、ボーログ博士、チサノ元モザンビーク大統領、ドーフFAO総裁、ジャネーECA事務局長、カベルカアフリカ開銀頭取、コナレAU議長、ムカベレNEPAD事務総長、ロデン・ロックフェラー財団会長などがメンバー。土壌浸食により、アフリカは毎年5千億円分の土壌養分を失っているといわれている。ロックフェラー財団のほかに、英国DFIDやSG2000などが支援する。
ロックフェラー財団 アフリカ肥料サミット 

2006年3月

TICAD市民社会フォーラム(TCSF)が「アフリカ政策市民白書2005」を晃洋書房075-312-0788より出版しました。目次

GW(4/29-5/5)に小泉首相がアフリカとヨーロッパを訪問することになった。アフリカではエチオピアとガーナを訪問する。エチオピアにはAU本部があり、これを機会にアフリカとの関係強化を狙う。NIKKEI このところ、アジアからもインドや中国、韓国がアフリカとの関係強化を進める動きが見られる。日本はTICADを旗印にアフリカに関ってきたが、TICADの中身を見直し、アフリカ自身の取り組みと、アフリカの市民社会を支援する、具体的な支援の枠組みが期待される。

TICAD市民社会フォーラム(TCSF)による平和の定着会議参加報告(TCSFメルマガに掲載)

TICAD平和の定着会議の議長を務めた塩崎外務副大臣のアフリカ訪問(概要

2006年2月

アジスアベバで2月16・17日に開催された「TICAD平和の定着会議」の結果概要議長総括が公表されました。(外務省) 塩崎副大臣基調演説(仮訳

政府は、国連開発計画(UNDP)が実施する「アフリカン・ミレニアム・ビレッジ・イ ニシアティブ」に対し、人間の安全保障基金を通じ、約10億1,889万円の支援を行うことを決定した。対象は、ガーナ、ケニア、マラウイ、マリ、ナイジェリア、セネガル、タンザニア、ウガンダにおける9つの農村で、次の事業を通じてミレニアム開発目標のモデルとする。
(1)食糧生産の向上および栄養価の高い食糧の普及、(2)住民の生活改善、(3)初等学校への完全就学率の実現、(4)女性の健康改善と児童・妊産婦の死亡率の抜本的な低下、(5)HIV/エイズ、マラリア、結核ならびにその他の主要疾病の感染率の低下、(6)「持続可能な開発」の原則を村落開発プログラムに統合、(7)家庭、学校、医療機関用にエネルギー、清浄な空気、水、衛生サービスへのアクセス改善、(8)通信技術の導入によるデジタルデバイドの解消。外務省

政府はアフリカの紛争地域の平和定着に寄与するために70億円を平成17年度中に支出することを発表した。 日本経済新聞

TICADアフリカの平和定着会議を、2月16・17日アジスアベバで開催。TICAD市民社会フォーラムが同会議に向けたメッセージを発表

アフリカ平和の定着支援として、スーダン、コンゴ民主共和国、ブルンジ、リベリア、シエラレオネの5カ国に約35億円の支援を決定した。 紛争被災民の社会復帰・再定住やコミュニティ復興、地雷対策等を促進することにより、アフリカの平和の定着を支援する。外務省 神戸新聞

2006年1月

第6回AU会議が1月23・24日にスーダンで開催される。日本からは佐藤啓太郎国連改革担当大使兼アフリカ紛争・難民問題担当大使が出席(外務省)。同会議では、AUの時期議長をスーダンの大統領がなる公算が大きい。ダルフールでの大量虐殺を引き起こした責任者が議長になることで、AUの紛争調停機能が低下するとして、この動きに批判的な声がある。AUの議長はこれまで慣習的にAU会議の開催国が就任してきた(Reuters)。

日本政府・国連・GCA・UNDP・世銀が主催する「TICAD平和の定着会議」が2月16・17日にアジスアベバで開催される。アフリカの自助努力、アフリカやアジア地域のこれまでの経験に基づく、平和の効果的かつ効率的な枠組みを確立するために、問題点の把握と分析および提言を行う。参加者は日本とアジア、アフリカ各国政府、国際機関、主要ドナー、NGO・市民社会。

インドがアフリカ53カ国を対象に、通信技術を利用した教育や医療のネットワーク整備に2007年より乗り出す。このネットワークはアフリカ大陸とインドの5大学、53ラーニングセンター、10専門病院、53地方病院を結ぶ。

中国外務省がアフリカ政策を発表した。アフリカ各国との経済協力や軍事協力の強化が盛り込まれ、アフリカ重視を強調している。中国企業のアフリカ投資やアフリカ各国に対する中国市場の開放、インフラ建設での協力などを提示。国連安保理改革でアフリカ諸国など発展途上国の発言権強化を主張する中国の立場を強調。日本経済新聞

外務省がODA4戦略目標を策定した。(1)テロとの戦い(2)平和構築(3)東アジアでの影響力強化(4)アジアの経験のアフリカへの伝達、の4つで、ODAを活用して外交効果を最大限に高める考え。東アジアから中央アジア、中東にかけた一帯とアフリカが供与先の中心となる。2005年2月に発表された「新ODA中期政策」を実行に移すための具体的指針という位置付け。中日新聞


2005年12月
米国の外交問題評議会(CFR)がアフリカの戦略的重要性を主張の柱とする報告書をまとめた。「人道主義を越えて:米国の対アフリカ戦略的アプローチ」(英文)と題するこの報告書では、アフリカの石油資源や中国との競争激化を念頭に、アフリカを重視した外交政策を進めるべきと提言している。しかし、一部にはアフリカの人道的支援を経済や政治の課題とセットで論じることは、アフリカの人々の人権を二義的なものだとして危険視する意見もある。

アフリカ経済委員会(ECA)が「アフリカ経済報告2005」を発表。2004年のアフリカ諸国の経済成長では6カ国が7%以上を達成した。しかしアフリカ全体では約3000万人の失業者がおり、失業率と貧困は悪化していると報告している。雇用の確保が貧困削減の鍵であり、持続的かつ安定して高い経済成長が必要としているが、経済成長が貧困削減に寄与する兆しが見えないのは、経済成長の数字ではなく成長の質が重要ということなのだろう。Economic Report on Africa 2005(英語)

国連大学が設置を予定している「アフリカ教育支援イノベーションセンター」に対し、日本は2006年から10年間、数億円を拠出する方針を固めた。同センターはアフリカの教育への投資や開発支援などについて、UNDP、ユネスコ、ユニセフなどが行っている教育分野の支援を体系的に実施する。

TICAD市民社会フォーラム(TCSF)が、アフリカ政策市民白書を作成、12月11日に発表会が行われ、駐日アフリカ各国大使、国際機関、援助機関関係者が集まった。内容は以下のとおり。1月に製本版を配布予定。
第1章 本白書の概要(評価アプローチ、日本市民とアフリカ市民とのかかわりなど)
第2章 白書第1号テーマ「貧困と不平等を超えて」の背景(アフリカ開発と国際協力の流れなど)
第3章 日本の対アフリカ政策の実績(政策の変化、対アフリカ政策と日本の市民社会など)
第4章 アフリカNGOによる日本の対アフリカ政策の評価(アフリカのNGOによる日本の援助政策評価ほか)
第5章 日本の対アフリカ政策への評価(アフリカの経済成長、民主主義、社会公正への貢献度ほか)
第6章 結論と提言

2005年中に決定した日本によるアフリカ向け食糧援助は122.44億円になる模様。このうち世界食糧計画経由は52.74億円。援助の大半はスーダン、シェラレオーネ、ビクトリア湖沿岸国などの、国情不安によって食料不足がより深刻になっている国々に集中した。

12月3・4日にマリのバマコで第23回フランス・アフリカ・サミットが開催。2年毎に開かれるこの会議、今年は「アフリカの若者:活力と創造性」がテーマです。フランス全土で起きたアフリカ系若者による暴動の記憶がまだ新しいですが、フランス政府としては、こうした事情への対応という配慮もあるのでしょうか?11月にプレイベントとして若者サミットが開かれています。フランス外務省 CRIによれば、フランスはこの会議でアフリカ平和維持部隊の創設を支持したそうです。

2005年11月
11月28・29日、TICAD/UNアフリカ局によるアジアとアフリカ間の投資と貿易促進のための会議がパリで開かれた。

11月27日、北京にて中国アフリカ教育閣僚フォーラム。アフリカから17カ国の閣僚が参加。今後3年間で3000人を研修。留学生も倍増。CRI

11月23日、フランス政府はアフリカなどの貧困削減のための財源として航空券に「国際連帯税」を課すことを閣議決定した。議会が承認すれば2006年7月から施行される。NIKKEI NET

ナイジェリアでアフリカの首脳がアフリカ合衆国について議論

日本政府がアフリカで「コミュニティー開発支援」。2006年度は10ヶ所で50億円。対象コミュニティーのニーズに応じた公共施設の建設等をするようです。開発資金を2-3年先払いをする方式は画期的です。読売新聞

11月5・6日にドイツ・アフリカ・パートナーシップ・フォーラムが開催。アフリカの主要元首や経済界・文学界から参加。詳細はこちら(英語)

2005年10月
日本がWFPを通じてアフリカに総額12億8千万円の食糧援助 外務省

英国がAfrica Catalytic Fundに2億ポンド(約400億円)提供すると発表。10月4-5日:第5回アフリカ・パートナーシップ・フォーラムをロンドンで開催。アフリカ・パートナーシップ・フォーラムはG8、OECD、アフリカユニオン、NEPAD、国連、世銀、IMFなどが参加しています。今回は、ドナーによるアフリカへの援助の約束が守られているかどうかを毎年報告していくことが決まった。最初の報告書は2006年10月に出される予定。

2005年9月
最貧国が世界銀行グループなどに対して負っている債務の全額削減について、日米欧などのG8が削減総額の70.19%を負担する方針で合意。日本の分担は米英に次ぐ三番目の13.17%で、最大約六千二百億円分を負担する。東京新聞

世界貿易開発会議「アフリカ経済開発報告」発表(9月13日)
「ここ数年、外国のアフリカへの投資はやや増えているが、アフリカ経済の全体的な発展状況があまりよくない」と指摘。UNCTAD「Economic Development in Africa」(英語)
  アフリカへの直接投資額:1980年代の22億ドル->2004年の180億ドル
  1970年代、アフリカが世界投資総額中に占めた比率:1970年代のは6%->2004年が3%
  世界総生産の中にアフリカが占めた比率:1970年代の3.1%->2004年の1.8%
  アフリカ貿易総額が世界貿易総額の中に占めた比率:1980年の6%->2004年の2.2%
  アフリカの75%の海外投資は10カ国に集中:採掘業と採油業に集中しており、これらの投資がアフリカ経済  発展を促す効果は少ない。

町村信孝外相は14日、ニューヨークの国連本部での安全保障理事会首脳会合で、アフリカの「平和の定着」をテーマにアフリカ開発会議(TICAD)の特別会合を今年12月か来年1月に開催する方針を正式表明した。(河北新報 9月15日)

オックスファム:ミレニアム目標達成度評価レポート「支払うべき代償

平成17年度外務省政策評価書(6)対アフリカ外交 6-1はTICADプロセスを通じたアフリカ開発の推進です。

政府が「平和の定着」のための国際会議を年内に開く方針を固めた。

 
2005年8月
アフリカ支援のために、外務省がODAの12%増を要求。

8月22日、中国アフリカ協力フォーラム第4回閣僚会議が、北京で開催された。中国とアフリカの46カ国の代表、及び6つのアフリカ地域組織のオブザーバー、中国駐在アフリカ使節らが今回の会議に出席し、貿易や人材養成などについて話し合われた。中国大使館 在中国日本大使館 (中国アフリカ協力フォーラムは2000年に初の会合が開かれ、今回で4回目)
 
2005年7月
TICAD市民社会フォーラム「アフリカアラート通信」第2号

日本政府は、国連安全保障会議の改革のためにアフリカとの関係を重要視しています。G4とアフリカの外相会議。 shiratoris

グレンイーグルでのG8ではアフリカが主要課題でした。

G8に向けて市民団体が記者会見

TCSFメルマガ「なぜアフリカ支援が必要か?」

援助増額を要望するアフリカに対し、主要先進諸国は改革を要求。

ライブ8を、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アメリカ、カナダ、日本で開催。
 
2005年6月shiratoris
「リスクが高いアフリカへの援助をどうする」ODAジャーナリストのつぶやきJICA客員研究員 (6月30日)

政府が、7月のG8サミットで主要議題となるアフリカ支援について、貧困地帯の農村の自立を後押しする日本独自の複合的な支援策「アフリカン・ビレッジ・イニシアチブ(AVI)」を各国で展開する方針を固める。

在京アフリカ外交団の小泉首相表敬

英国大使館でアフリカセミナー

6月11日に、G8の準備会合である財務省会議が開かれ、約6兆円のアフリカの債務を全額免除することで合意した。

アフリカ連合(AU)への日本政府代表として、在エチオピアの泉大使が任命されました。

2005年5月shiratoris
アフリカンフェスタ2005が開催されました。 外務省

2005年4月
アジア・アフリカ・ビジネスサミット 小泉首相のスピーチ(アジア・アフリカ間の貿易投資促進のための新たなイニシアチブ) 概要と評価
バンドンでアジア・アフリカ首脳会議: 小泉首相のスピーチ 補足資料 アフリカン・ビレッジ・イニシアティブ 新たなアジア・アフリカ戦略的パートナーシップに関する宣言 概要と評価
TICAD市民社会フォーラムが「アフリカ支援に関する声明文」を発表 声明文(PDF)
外務省の「ミレニアム開発目標:2015年に向けた日本のイニシアティブ」
小泉首相は日本の対アフリカ援助を今後3年間で倍増すると発表しました。主要国の対アフリカ氏縁覚の推移は左図のとおりです。TICADを開催し、アフリカ支援を訴えてきたとする日本が、実はアフリカへの援助額を減らしてきたのはなぜでしょうか?現在の援助額を倍増しても4位の英国の援助額を越えないことがわかります。(5年2月8日 読売新聞を参考にしてみてください。)

2005年3月shiratoris
2005アフリカンフェスタのホームページが設置されました。
英国によるアフリカ委員会が報告書「Our Common Interest」を発表
「国連ミレニアム・プロジェクト」報告書『開発に投資する』UNDPのプレスリリース

2005年2月shiratoris
国連総会非公式会合における「ミレニアム・プロジェクト報告書」に関する大島国連大使ステートメント

ブルンジに対する債務救済

TICAD市民社会フォーラム(TCSF)「アフリカ・アラート通信」創刊号

2005年1月shiratoris
G8サミット議長国となる英国は「アフリカの開発」「気候変動」に特に焦点をあてると発表 G8サミット 
英国アフリカ委員会会合(ケープタウン)
小野寺大臣政務官の西部・中部アフリカ諸国訪問
スーダンの南北和平合意署名式典への河野アフリカ審議官の出席
佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使のギニア訪問
ルワンダ共和国に対する債務救済
ザンビアに対する債務救済
第4回アフリカ連合(AU)首脳会議へのオブザーバー出席 African Union
ザンビア共和国ムワナワサ大統領来日  概要と評価
FASID開発援助動向レポートNo.15 「最近の諸国際機関からのアフリカ関連文献と国際援助動向」
アフリカとの戦略的パートナーシップ会合(南アフリカ)
世界経済フォーラム(World Economic Forum)がスイスのダボスで開催。アフリカが主要課題。 UNWire

2004年12月shiratoris
ムカパ・タンザニア大統領の来日  概要と評価
ガーナに対する債務救済
シエラレオネに対する債務救済

2004年11月shiratoris
TICADアジア・アフリカ貿易投資会議 小泉総理開会スピーチ 「アフリカとアジアの新しいパートナーシップ」 会議の概要と評価 World Bank 1 2 3
キバキ・ケニア共和国大統領の訪日 概要と評価
外務省・国連大学共催セミナー「アフリカにおける平和の定着を求めて」
英国アフリカ委員会諮問文書(ConsultationDocument)をウェブ上に公表
World Bank allAfrica

2004年10月shiratoris
コナレ・アフリカ連合(AU)委員長の来日 町村外務大臣との会談
コナレAU委員長講演会「アフリカ連合(AU)と日本-市民社会への期待-」龍谷大学・アフリカ日本協議会・TICAD市民社会フォーラム・JICA共催
第3回アフリカ・パートナーシップ・フォーラム
オバサンジョ・ナイジェリア大統領の来日 概要と評価
アジスアベバで第4回アフリカ開発フォーラム World bank UNECA UN UNWire
アジスアベバにて第2回英国アフリカ委員会 World Bank 1 2

2004年9月shiratoris
ジニット・アフリカ連合(AU)平和・安全保障委員の来日 概要と評価
外務省・JICA共催講演会「アフリカの現状とAU(アフリカ連合)の役割」
川口外相とアフリカ諸国外相、ピン国連総会議長、AU平和安全保障委員、AU政治委員等との昼食会
川口大臣挨拶
AUのアフリカ議会開会 World bank 1 2
ブルキナファソでアフリカ連合(AU)サミット 世銀[1][2][3]

2004年8月shiratoris
田中外務大臣政務官のウガンダ、マラウイおよびマダガスカル訪問

2004年7月shiratoris
TICAD市民社会フォーラム発足シンポジウム「民衆に役立つ アフリカ政策をめざして:アフリカ政策市民白書の提案」(7/11)シンポジウムの案内
エチオピアでアフリカ連合(AU)首脳会議 世銀[1][2][3] UNWire 小泉首相のメッセージ

2004年6月shiratoris
G8首脳会談でアフリカ支援を発表:G8行動計画:「アフリカの角」地域における飢餓の循環の打破、農業生産性の向上、食糧事情が不安定な国々における農村開発の促進(全文仮訳)
平成15年度外務省政策評価書
III 政策評価シート、1.国・地域編 (事後評価) 対アフリカ外交政策
モザンビークでアフリカ・カリブ海・太平洋諸国(ACP)首脳会議開催
UNWire 世銀

2004年5月shiratoris
緒方JICA理事長アフリカ歴訪:人間の安全保障を強化する開発援助の意義を確認(JICA[1] [2])
アフリカ連合(AU)平和・安全保障理事会の設立(外務大臣談話)

佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使のエチオピア、マリおよびコートジボワール訪問(予定、評価と概要)

アジア・アフリカ官民合同フォーラムの開催(予定、評価と概要)
ミレニアム挑戦会計(MCA):米国は先週、MCAの対象となる16カ国を選出(UNWire)
英国のブレア首相が新たに「アフリカ委員会」を設立(世銀[1] [2])

2004年4月shiratoris
第2回アフリカ・パートナーシップ・フォーラムについて(概要と評価)

日向・第3回アフリカ開発会議(TICAD III)担当大使の南部アフリカおよびシンガポール訪問(評価と概要)

佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使の米国およびリベリア訪問について(予定、評価と概要)
人間の安全保障基金による「サブ・サハラ地域地方部における貧困削減のためのエネルギー」プロジェクトに対する支援について 平成16年度アフリカ大使会議

2004年3月shiratoris
第3回アフリカ開発会議(TICAD III)担当大使の南部アフリカ諸国:日向TICAD担当大使が3月22日から4月3日まで南部アフリカ諸国を訪問。(外務省のプレスリリース)
ムショカ・ケニア外務大臣の訪日:TICAD?後初めて日本を訪問したアフリカの外務大臣です。(外務省の評価と概要)

2004年2月shiratoris
アフリカ紛争・難民問題担当大使のアフリカおよび欧州訪問:佐藤大使は、2月19日から3月10日まで、ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、エチオピアを訪問。平和の定着はTICAD?の重点課題。(外務省の評価と概要)

2004年1月shiratoris
田中大臣政務官がTICAD3フォローアップを目的に西アフリカを訪問: TICAD3のフォローアップを目的に、外務省の田中和徳外務大臣政務官は、1月6日(火)から1月16日(金)まで、ガーナ、コートジボワール、ベナンおよびブルキナファソを訪問。西アフリカにおける「平和の定着」等についてアフリカ側政府要人と意見交換するほか、経済協力の現場等を視察。目的と日程  概要と評価

2003年11月shiratoris
外務省アフリカ第二課長によるTICAD?評価: FASIDで2003年10月17日に行われた講演会の記録です。
「TICAD III (第3回東京アフリカ開発会議)の成果と今後」
TICAD市民社会フォーラム結成の動き:ACT2003が10月末に解散。TICAD3に参加したアフリカ・日本・その他のNGOが話し合い、TICADをフォローアップするための「TICAD市民社会フォーラム」を結成する動きが始まる。アフリカへの支援が現実的にアフリカの人々に役立つものとするために、「日本の対アフリカ政策を市民指向に変える」ことを目標としている。
数字で見る日本に対アフリカ協力(11月18日)
外務省により、日本の対アフリカ協力がわかりやすくまとめられている。ミレニアム開発目標、TICADの歴史、日本のODAなどを説明。TICAD3の成果や評価が掲載されていないのは残念。
ACT2003によるTICAD?会議参加報告:http://act2003.org 会議の雰囲気が分かる。会議報告のほかに、ACT2003が会議中に配布した声明や宣言、会議後に行った記者会見の報告などもある。



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